2022年6月6日月曜日

根岸病院分会News 第27号


「危険手当を出せ!」
労働者の怒りが見舞金を出させた!
たたかう労働組合へ入ろう!

 すべての働く仲間の皆さん!多摩連帯ユニオン根岸病院分会は3月発生の大規模クラスターに「危険手当てを出せ!情報公開しろ! PCR検査を行え!」と、病院に要求してきました。4月5日付の病院の回答は「危険手当などは考えていない」と、切実な労働者の要求を拒否してきました。これに対し、組合は怒りのメッセージを呼びかけ、これに35名の労働者がこたえ、「危険手当を出せ! ひどい仕打ち! 防護服を着てやってみろ! 症状あってもPCR検査してもらえなかった!」など止めどない怒りが病院にたたきつけられました。組合はこのメッセージをニュース25、26号で掲載し、この怒りに向き合えと要求してきました。病院は、この我慢のならない怒りに追い詰められ動かざるをえなくなったのです。
 5月17日に病院は全職員に向け「院長談話」を発表し、正規職員に一律3万円の見舞金と対象者へ特別休暇を出すと発表しました。労働者が感染の恐怖と闘いながら働き、我慢のならない怒りを愚痴ではなく明文化して声を出したことで勝ち取った大勝利です。労働組合が闘ったからこそ、開かない扉がこじ開けられたのです。「危険手当など考えていない」とのゼロ回答が、怒りと闘いによってひっくり返ったのです。「闘えば勝てる!」「闘いなくして安全なし!」このことが核心であり、職場にはたたかう労働組合が必要です。全ての皆さん、多摩連帯ユニオン根岸病院分会に加入しともに闘おう。
 闘いはこれで終わりではありません。今回は見舞金と特別休暇となりましたが、組合は恒常的な危険手当の決まりを確約させること、PCR検査の定期的実施、感染時のホテル使用の明確化など、さらに要求していきます。「院長談話」の後半部分では、「批判するな」と記されていますが、労働者の怒りにおびえた経営は「院長談話」を通じて組合、ないしはメッセージを寄せてくれた労働者を批判する内容を発信したのです! 病院中の労働者が怒りに声をあげた責任は全てクラスター対策を取らなかった院長(経営)にあるにもかかわらず、労働者に“黙って働け!”と言ったのです。ある病棟では役職者が「このメッセージを書いたのはあなたか?」と個人特定までやっていたという情報も寄せられています。絶対に許すわけにはいきません。組合は6月2日付で「院長談話」に対する抗議文を提出し(裏面に掲載)、これは労働組合への支配介入(違法行為)であり二度としないように警告しました。病院のコロナ対策の不十分さを、組合が根底的に批判し、労働者が怒りの声をあげたからこそ、事態は動き出し、安全闘争は一歩前進したのです。
 見舞金も「院長談話」で「全ての人に手をさしのべる」と言いながら、非正規雇用の派遣労働者(看護助手、清掃、警備、クラークなど)には、一銭たりとも出ていません。派遣労働者への補償も組合は要求して闘います。団交もいまだに開催されていません。春闘要求・賃上げの交渉もこれからです。組合は6月中に団交開催するよう強く要求します。共にたたかおう!



2022年6月2日

根岸病院院長
松村 英幸 様 

〒192-0046 東京都八王子市明神町4-14-5
リーベンスハイム八王子2-203
多摩連帯ユニオン 執行委員長 徳永健生
電話&FAX 042-644-9914
mail:tamarentai.union@gmail.com

抗 議 文

 根岸病院当局は5月17日付で「令和4年3月発生の院内集団感染について」なる文書を全職員に対して配布し、この間のクラスターに対して全ての職員に見舞金を支払うことと、リフレッシュ休暇を付与することが書かれていました。これはこの間、クラスターが起きた際に何の保障もしないと回答した経営に対して 35 名もの職員が怒りの声を組合に寄せ、「危険手当を支給しろ(他)」と闘ったことに対する理事会側の回答として受け止めます。
 しかし許しがたいのはその後に続く文章です。松村理事長は同じ文書の中で「皆で協力して業務を遂行していたなかで、ともに働く仲間を批判し、院内の秩序を著しく乱す行為がありました。他人を批判することは簡単にできます。このような行為を病院として断じて許すことはできません。皆で辛い思いをしているすべての人に手を差し伸べることが出来る日がくるよう願っています。」と記しました。これはこの間組合に対して怒りの声を寄せた 35 人の労働者を批判する内容であり、組合に対する支配介入(労働組合法第7条違反の不当労働行為)であり、今後このような声はあげるなという恫喝に他なりません。多摩連帯ユニオン根岸病院分会は断じて許さず、経営に強く抗議します。
 根岸病院としても初めて経験したコロナクラスターは72名感染の大規模なものでした。その背景には「感染者を受け入れる病院がない。根岸病院で見るしかない」という状況がありました。なれない感染対策で自らが感染するかもしれない危険や不安と隣り合わせになりながらも必死に闘っていた労働者に対して、根岸病院は4月5日付の組合への回答書で「危険手当などは考えていない」「症状があればPCR検査をする」と回答しました。35名のメッセージは“皆で辛い思いをしているすべての人に手を差し伸べ”なかった経営に対する怒りの声でした。その中には職場長に対する不満もありましたが、経営がするべきはそれを書いた労働者を批判することではなく、書かざるを得なかった背景に目を向けて、その状況を改善するよう務める(職場長を指導する)ことではないでしょうか。そのことを棚に上げてメッセージを寄せた労働者や、そのメッセージをビラにして配布した組合をこのような形で批判するなど言語道断であり、それこそが“院内の秩序を著しく乱す行為”です。
 また一部の役職者は「このメッセージは誰が書いたのか?」と“個人特定”に動いています。この行為そのものがパワハラであり、就業規則違反です。このような行為を直ちに止めさせ、二度と行わないように役職者を指導することを要求します。これからも感染はおきます。今回“見舞金”や“休暇”を付与したことで終わりません。感染対策時の危険手当やホテルの使用など、根岸病院としての決まりを作り安心して感染対策に臨める環境を提示することを改めて要求します。

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