2022年4月15日金曜日

病院経営は大クラスターの責任を取れ

 

 3月20日から始まった根岸病院における大規模クラスターは看護職員が最前線のケアを最後まで担い切りました。4病棟で発生し、患者63名、職員10名(組合把握)陽性者の大規模クラスターです。4月15日には、4病棟でのクラスター対応は終了します。労働者の皆さん、本当にご苦労様でした。

 しかし、これで終わりではありません。根岸病院は抜本的な安全対策が必要であり、闘いはこれからです。はっきりさせるべきは、今回の大クラスターがここまで拡大した、その責任は根岸病院当局にあります。

 多摩連帯ユニオン根岸病院分会は、団交に向けて、患者と職員の安全を確保するために最低限の課題として3つの課題の解決を要求します。第一に、クラスター公表の情報隠ぺい、情報操作を許さない!現実に向き合い、正確に情報公開することを求めます。第二に、クラスター対応に当たった職員に危険手当を出すことを求めます。第三に、全職員のPCR検査を定期的に実施することを求めます。

 さらに、組合が要求していた春闘要求書にも4月8日に回答書が手渡されました。賃上げは常勤職員一律1900円の超低額回答です。昨年と同じであり、コロナと闘い続けている労働者に対して応えるわけでもなく、病院は労働者を完全になめています。労働者の皆さん、現状を仕方のないものとして認めたら何も変わりません。怒りの声をあげましょう。



病院は情報操作を止めるべき

 組合は3月30日に10項目のクラスター対策要求書を提出し、4月5日に病院から回答書を受け取りました。その際の池田事務次長と松村顧問との事務折衝で、組合は病院ホームページでの「A3病棟のみクラスターが発生」(コロナ1報/3月24日)の公表は、陽性者数も明らかにせず、また事実も違うと訂正を求めました。これに対し病院は翌46日付でホームページでコロナ第2報を公表。なんと「入院患者の感染者数は46日現在12名になっております。」と、病院は目を疑うべき情報の隠ぺい、情報操作までするに至ったのです。

 患者60名を超える大クラスターにも関わらず、初めて数を公表したかと思えば、「陽性者12名」と意図的に終息に向かっていることだけを強調することなどありえない対応です。これが人の命を預かる病院のすることか!ましてや、A3病棟44名中43名陽性と壊滅的な事態の中で、必死にケアに当たり、その中で感染した職員の陽性者など一切公表もしないなど本当に許せない。病院は労働者の命をどう思っているのだ!入院にまで至った職員もいるのです。そして4月6日の時点では4病棟ともクラスター対応が終了している病棟は一つもなく、この時も防護服を着用して汗だくになりながら感染の恐怖と闘いながらケアを続けていたのです。

 組合は訴えます。この病院の大規模クラスターの現実と向き合おうともせずに、情報操作するようなあり方こそが、患者・職員の安全を軽視し、クラスターが拡大していった根本的原因であると断じます。ホームページでは根岸病院の「基本理念と方針」の中で、基本方針3番目として「開かれた情報と、地域医療に貢献します」と明記されています。組合は要求します。ホームページを全面的に書き変え、今回の大規模クラスターの全容を明らかにし、陽性者数を正確に公表する、まずはこの当然のことから安全対策を始めるべきです。

労働者の命を何だと思っているのだ!危険手当を出せ!

 4月5日付の回答書で、病院は明確に「危険手当等は考えていない」と、危険手当を拒否しました。「考慮する」わけでもなく、一切考えていないと、切って捨てました。断じて許せません。病院は労働者の命をあまりにも軽く扱っていないのか!そもそも、根岸病院は、コロナが始まって以降、まともに安全対策に対してお金を投入することは積極的にやってきませんでした。陰圧室を作るわけでもなく、フェースシールドを日常的に着用することもせず、PCR検査機器を自前で購入したにも関わらず、積極的に職員の検査を実施することもしませんでした。安全対策には金をかけずに、今回のクラスターを招くことになってのではないでしょうか。病院は責任を自覚すべきです。

 看護職員は今回の大クラスターの最前線を担い切りました。「危険手当を1勤務当たり1万円を拠出する」ことは、まさに命のかかった問題であり、感染を今後も止めるために必要なことです。組合は危険手当を出すことを要求します。



PCR検査を定期的に実施することが感染対策の基本だ。

 今回のクラスターを経験してわかったことは、いかにして感染を早期に発見して即座に陽性者を隔離して的確なゾーニングを行うことがいかに大切であることを誰しもが自覚したのではないでしょうか。その基本的対策はPCR検査の早期実施・定期的検査にかかっています。今回のA3病棟でも「症状ない限りPCR検査は実施しない」と旧態依然のあり方しかとれませんでした。介護施設などでは週1回の全職員のPCR検査が実施されているところはあります。根岸病院は自前のPCR検査機器まであるのです。できないわけはありません。PCR検査の定期的実施は感染拡大防止であり、命のかかった問題です。

 今回の経験を生かすために、全面的・抜本的な安全対策を組合は要求します。そのために労働者の声が必要です。回答書に対する不満、要求をメッセージとして組合に集中することをお願いしています。ぜひとも寄せて下さい。闘いはこれからです。

組合に入ってともに闘おう!

 皆さん、組合に入りましょう。労働者は労働組合に団結することによって資本と台頭に渡り合えます。労働組合の力を恐れるからこそ、経営はビラ捲きに阿智して「警告書」を出してくる。逆に言えば労働組合の力は無限大なのです。労働組合にはいって声をあげよう。

徳永健生 kakumei289@gmail.com


新宿駅で戦争反対の声を上げる労働者と学生

全世界でウクライナ戦争反対に労働者が立ち上がっている!

 ロシア軍のウクライナ侵攻に対し、全世界で労働者が反戦闘争に立ち上がっています。

 ロシア本国でも青年・女性を先頭に反戦闘争が闘われています。

 日本の岸田政権は、あろうことか、ウクライナ侵攻を幾何として、「改憲が必要だ」「核の共有が必要だ」と叫んでいます。そう言いながら岸田政権は、ウクライナに軍事物資を送って、事実上の参戦国化をしているのです。

 プーチンが悪いのはもちろんですが、ゼレンスキーだって労働運動を弾圧して、男性労働者を戦場に送っているのです。

 私たちも、日本の地から、「戦争反対!」「改憲反対!」の声を上げましょう。