夜勤3回外しは不当な重処分である。
組合は認めないぞ!
根岸病院で働く仲間の皆さん。
組合員 Aさんに対する夜勤3回外しは不当な重処分です。この夜勤外しに対する謝罪と退職届撤回を求めて、病院側との第2回目の団交が1月17日にリモート形式で開催されました。遅くなりましたが、以下に報告します。
そもそも第1回目の団交が10月4日に開催され、それから3カ月以上も経過してからの第2回目の団交となりました。病院側の日程調整で引き延ばされ、病院側の担当者がコロナ療養となり団交設定ができない場面もありましたが、病院側の対応は不誠実であり、組合は団交の冒頭に抗議しました。解決が引き延ばされたことによって、この半年余り、Aさんはアルバイトでかろうじて生計を立てていたのであり、断じて許されるものではありません。
論点をすり替える病院側の不誠実対応
今回の問題の発端は、Aさんが1年以上も前から病棟長に対して「夜勤を平等に入れて欲しい」と要請していたことにあります。第2回団交では、病院側が主張する「勤務態度が悪いから、夜勤3回をゼロにしたのは当然のことである」の主張に対して、組合から「それはいつから認識しているのか」の質問に対し弁護士は「ずっと前から悪かったんだ」と答えます。組合からは、「これまで夜勤は外されることなく入っていたのはなぜなのか?」「8月も3回夜勤が入っていた」「Aさんに注意したのは、全体に対する注意喚起と7月31日に本人に対し仕事中にスマホをいじっている人に夜勤をまかせられないと通告し夜勤3回を外した時の2回だけである」「夜勤3回外しは重処分であり、減給処分ではないか」と追求しました。しかし、病院側は「勤務態度が悪い」からの一点張りです。
本質的な問題は、Aさんが訴えていた「夜勤を平等に入れて欲しい」の要求にあります。8月の勤務表が提出された7月中旬すぎに病棟長に対して、メールで「平等に入れて欲しい」と訴えました。メール発信以降、勤務では会わず7月31日に病棟長に呼び出され夜勤ゼロを通告されました。一年前から訴えていた要求は無視されていたのだの追求に対しても、弁護士は「Aさんは5回入っている月もあった」と返し、「平等に入れて欲しい」の訴えを、終始すり替える不誠実対応でした。
団交の後半では、夜勤をまかせられないと主張するが、組合からは「クラスターの際に、看護師が半数あまりコロナに罹患し病棟に来れなくなった際に、応援の他病棟の看護師に(この病棟での勤務経験もないにもかかわらず)夜勤業務に入ってもらうことまで実施していることは危険行為そのものではないか」との追求には、病院側は「この問題とは関係ない」「非常時だから」と逃げる有様でした。
組合は、この問題は、労働者が職場環境についてささやかな声をあげたことに対する無理解、おさえつけにあったと思います。
「夜勤を平等につけて欲しい」、これは問題提起であり、組合は解決へ向けて闘います。
組合は Aさんが訴えた「夜勤を平等につけて欲しい」の訴えは、労働者としてのささやかな要求であり、生活を支えていくための重要な要求です。病院で働く労働者であるならば誰もが理解してくれる課題であるはずです。
なぜならば医療労働者の賃金が低いからに他なりません。根岸病院は特に低賃金です。毎年の賃上げも二千円に満たないものです。昨年はコロナクラスターを4回繰り返すなかで根岸の労働者は必死に働いてきました。しかし、それに見合った賃金など保障されません。その中で、夜勤手当は医療労働者にとっては切実な賃金の一部なのです。
確かにAさんは夜勤の回数が極端に少なかったわけではありません。しかし、「平等につけて欲しい」の要求は切実な問題でした。しかし、病棟長はこの問題で Aさんと話し合うこともなく、事実上無視されていました。そして、昨年の7月に「平等につけて欲しい」と再び要求したら、「勤務態度が悪いから」と告げられ、夜勤3回分を外されゼロになったのです。1年余り、「平等につけて欲しい」の要求を否定・無視されれば、労働者がやる気をそがれ、くさる気持ちが態度にあらわれることもあります。あげくの果てに、夜勤がゼロになれば、生活が成り立たないとなり、衝動的に退職届けを出すに至ったのです。病院側は一人の労働者の生活を破壊しているわけであり、その奪われた分は保障する必要があるのです。
組合は、「夜勤を平等につけて欲しい」の要求は、あらためて根岸で働く労働者の実態に問題提起を投げかけたものと考えます。Aさんから、最初にこの問題を相談されたときに、組合は「他の人が夜勤を5回入っているから、私も5回にすべきであると要求することはありません」と明確に伝えたうえで、組合の夜勤に対する考え方は、「夜勤は過酷な労働であり、安全問題を第一に考えます。
よって夜勤の回数は労働者全員が月に4回以内にすべきであると」伝えました。確かに夜勤の配置を決めるのは、病棟の責任者である病棟長です。しかし、夜勤の上限を月に4回までと区切ることによって、夜勤の回数は平準化することになるはずです。そして4回までとすることにより、夜勤のできる労働者を病棟に配置しなければならないし、日勤帯の働ける労働者も増えることになります。昨年のクラスター下の各病棟の状況をみて下さい。コロナに罹患し、病棟から医療労働者が減る中で、残った労働者は日勤も夜勤もまわすために夜勤を5回6回と入る過酷な労働が続いたのです。これも、元々が病棟に配置されている労働者の人数が少ないからです。医療労働者の置かれている低賃金、少ない人数で職場をまわしている現実をコロナによって暴き出されたのです。
組合は、夜勤は月に4回までとすること、各病棟に余裕を持って労働者を増員することを要求して闘います。
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